マンションの耐震補強工事
- misima
- 2022年1月8日
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川崎市のマンションの耐震工事の事例である。見学会を行った。耐震改修工事は、マンション管理組合が行う一大事業である。約100戸の6階建てマンションであれば、年間予算や、年度ごとに割り振られる項目がすでに策定されており、ここにきて突然大きな出費など通常であれば考えられないところだが、残念ながら耐震に関しては考えられていない。このため急に大きな費用が発生することになり、管理組合にとって突然降りかかる大問題となる。
市は、耐震問題に対して助成金を交付して推進に大きな力となってくれる。大きな金額を必要とする耐震補強については、市に助成金のシステムがあるから管理組合も耐震に取り組めるのが実態である。(もっと大きな金額を助成してほしいがこれは置いておく。)一般的な流れでは、市の助成のためのプログラムに沿って、耐震診断、耐震補強設計、耐震補強工事、と進むことになる。この時、どの行政でも同じことだが、助成金は年度ごとの事業として用意されるので、これらの事業も1年ごとに消化して進んでいくことになる。
ところで、管理組合にとって、大きな金額がかかることに加えて、これらを実行するために管理組合員の合意形成を図るのが問題になるケールが多い。一昨年マンションの合意形成については区分所有法の改正が行われて、以前よりハードルが下がり。全住戸の1/3の合意があれば共有部への変更工事を行ってもよいということになったが、大かたの管理組合にとっては数字上でいうほど割り切れない問題である。反対者がいると、たとえ少数の反対者といえども管理組合として無視はできないからである。高齢化が進むマンションでは収入のない世帯もあり、耐震化の高額な負担に耐えられない。これも問題となる。
耐震化については、行政の助力を得て管理組合、又は理事会がその年度において行うこともあるが、100世帯ともなると数年をかけてひとつづつ課題をクリアしていくので、耐震化を目的とした委員会を特別に立ち上げ、数年間に及ぶ工程をその委員会が専門に行うことが多い。多くの場合輪番制の理事会では専門性が継承されにくく前に進まないケールが出てくるためである。
多くの場合は、行政の助成制度に従って耐震化を進めることになる。ほとんどの行政区では制度化されていて、その行政区の懐具合での差はあるが、耐震化がすすめられる。なお、マンション以外では建物は自力で耐震化を図るものであるから、助成金の額が少ないとはいえ、恵まれていると考えるべきだと私は思う。
マンションは様々であり、規模も、構造も、デザインも同じものはなく、それぞれの場合はそれぞれの事情により耐震化は勧められるので、一般化するのはこの辺でやめて、この欄では、特に私が印象深く思った事例を話すことにしたい。
この事例では、過去に何人もの専門家がかかわり、それでも耐震化が進まなかった事例である。今までかかわったのは、CM(コンストラクションマネージャー)、マンション管理士とか、コーディネーター、弁護士、そして構造家(一級建築士)、であった。耐震診断だから役所もかかわり、しかし5年かかって進まなかった。そして最後にJASOの出番が来た。JASOの担当者が、停滞していた組合員の尻を叩き、激を飛ばしながらやった。普通は、管理組合は和を重んじ、優しく言葉を選び、安全にことを進めるものだが、まれなケースである。
驚いたことその2。実はこれが一番驚いたことだが、川崎市のとある有名な方の耐震診断と耐震設計がもとにあった。この設計が実は問題のものとであった。耐震設計はその良し悪しが分かりにくいため、見過ごされることがある。この時は設計の見直しを行い、これにより停滞の下が解決された。設計をやり直してこのマンションは救われたことになる。
驚いたことその2の2。市のシステム上の問題もある。助成金のシステムは、地元に還元させるため、その金額を支払う設計者、工事を受注する企業を、地元に限定している。このなかで、設計者を限定するのはどうかと思う。設計さえよければ、工事は何とかなるかも知れない。このようなシステムは他の自治体でも見られる。さいたま市でも同じく地元救済の意味で、地元に業務委託を集中させている。少しマシであるが。・・・
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マンションは、他にも修繕計画にかかる問題があり、昨今は紛争に発展した例も聞くよになった。私はこの問題の専門家ではないし、むじろ傍観者であるにすぎないのだが、実に多くの問題がそこにあることはわかるので、いつも心を痛めている。
別の項目を設けてこの件をいずれ書き表してみたいと思う。



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