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マンション改修

  • 執筆者の写真: misima
    misima
  • 2018年6月28日
  • 読了時間: 2分

  

 7年前耐震補強工事を行った建物。昨年から共用部のバリューアップのためのエントランス工事等を行った。実はこの工事は、はじめ別のデザイン事務所が入っていたが、居住者の一人と間にトラブルをかかえてしまい、私の事務所が代わりに入ったものである。このマンションは全100戸におよび、居住者との間にいかにコンセンサスをはかるかは最大限に注意すべき部分となる。

 この点について少々コメントしたい。


 このマンションに限って言えば、私の前任者の手腕にはいささかの疑問も生じない。したがって私がここで言わんとするものは、事業遂行能力とか、デザイン能力とか、そういう類のものではない。マンションに携わるデザイナーにはある特別の資質が必要ではないかと思われるのである。

 まず、施主はなにしろ100人いるのだから本当に色々様々な考えがありうるのであり、必ずどこかで問題が発生してしまうものだと私は思う。それは、すべてに徹底して注意深く進めればよいと言うレベルのものではない。そもそもアプローチから異なると考えるべきものである。

 端的に言えば、いかに公正であるかをアピールし続ける、というようなことである。考えはどのように決めるのか、設計者はどのように決めるのか。施工者はどのように決めるのか。費用は?デザインは?これらのルールを決めたところでも、居住者のすべてが理解するかといえば、それはありえないと思う。マンションはすべてのことを合議において決めるものだ。1/2、3/4の合議を得たとしてももちろん危険である。一人でも反対を唱えれば事業がばらばらに崩れかねない。昨今では全員合意で無い限り受注に応じない施工者も現れているくらいである。

 コンセンサスを得て業務を行えばよいというものでも無い。いつでも工事は止まりうる。このように考えて、その上で業務を組み立てる必要がある。


 また、昨年の春に、「NHKクローズアップ現代」で、マンションの長期修繕業者は9割がバックマージンを取っている、と流れた。私もこれを主張する人を見たことがある。自分がフェアで無い仕事をしている人は他人も同類だと考えてしまうものだろう。であるから、マンションの管理組合は過敏になる。単一目的の管理委員会を設けるとか、理事会のバックアップに勤めるとか、マンション管理士を置くとか、ファイナンシャルプランナーとか、外部委員を置くとか、まず管理組合室を改善するとか、色々知恵を廻さなければならないことになる。

  

  


   

   

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