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今は亡き生活科学運営

  • 執筆者の写真: misima
    misima
  • 2018年1月15日
  • 読了時間: 3分


今はなき生活科学運営のこと


  有料老人ホームの理念は

       1、家庭的であること → スタッフとの関係

       2、長屋的であること → 隣人との関係

       3、参加型であること → 自らの意思でここにいること

       4、進化し続けること → 人は死ぬまで進化し続ける存在であること   

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 少しばかりお付き合いをしていただけるなら、これらが何を示しているのか話して行きたいと思います。

1、家庭的であること

  これは分かり易いです。掘り下げていうと、居住者とスタッフとの関係を指すものです。

  入居者とスタッフとは、つまりサービスする側とされる側というような関係ではないということをい意味します。入居者にこれを求め、スタッフにはこれを実現するスキルが求められます。象徴的な言い方ですが、疑似家族的なつながりということです。

  これに対して、某有名老人ホームなどまるでこの逆を行き、入居者はスタッフにお姫様のような扱いをされところもありますが、実はさみしい人間関係しか築けない晩年となってしまうかもしれません。

2、長屋的であること

  これは、居住者相互の関係を指す言葉です。長屋とは例えですが、互いに、くまさん、はっつあん、と呼び合うような長屋の住人となる関係だと、例えています。

  実に日本的な、程よい距離感を持つ、ほどよい関係性の構築です。それぞれちゃんと自立していて、また互いにリスペクトがあり、また互いに依存している。日本人的な理想的関係なのだと思います。今日では、一方ではプライバシー尊重とか、個人情報の保護とか、西洋的な価値観が強く出てしまい、これらを否定的にとらえる人が増えているような気もしますが、実際のところは、こういうところにあると私は思います。

  これのためのスキルをスタッフは持っている必要があります。いろんな入居者がいますから、それぞれが、理想的な関係を探していくということでもあります。

3、参加型であること

  これは少し分かりにくいかもしれません。端的に言えば、入居者自ら進んで施設にいること。または運営に参加することを指します。それは究極のところ友人の世話を焼いたりすることであったりします。趣味のサークルや同好会であったり、または掃除洗濯、庭の作物を育てたり、または施設の方針決定に加わり、対外的にも自らが代表を担うということを指します。これらを、施設側がサポートします。手取り足取り後押しします。もう少し踏み込んで言えば、他者へのサービスに喜びを見出す、ということになります。

  入居者は、ただ寝ていればサービスをしてもらえるという存在ではないとします。言葉を換えれば、他社の有料老人ホームは、手厚いサービスの提供を歌いながら、ただそこで寝ていなさい、と言っているかのようです。それではぼけ老人のような感じになってしまいます。「人は理念によって生きられるものだ」という思いに強く同意するもです。

4、進化し続けること

  これは、施設は常に進化し続けるものだ、ということです。あるいは、人とは何かという問いと同じで、人は死ぬまで進化し続ける存在である、という事に呼応してたものです。

  施設では人が生きて生活していますから、いつも同じであればよいというものではありません。施設は入居者を見て、変化を促進していかなければならず、その変化を許容するものでなけければならない、ということです。


  この言葉には、お判りでしょうが大切な意味があります。人は老いてもなお明日には何かを学ぶもの。成長するもの、いつまでも同じではなく、これこそが尊重されるべきことなのではないか、ということ。建物と人とを掛けて言っているわけです。


 
 
 

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