大地震に被災した後、どのように生き抜けばよいか。
すまいるホールでのシンポジューム。
LCP(Life Continuity Planing ) とは、BCPの住宅版のこと言う。地震災害後にも生活を維持するための計画のこと。またはその評価を示す。被災後にも生活を続けるための必要な資質があるかないか、何がかけているのか、その評価を行わなければいけない。
JASOでは「タイムラン」という言い方で大地震に被災した後、どのように生活を確保していくかを、時系列に表にしている。これを今回は事例を元に説明していただいた形であった。(章末にタイムランを表示しているので参考にしてください。)
大地震で被災した後のことは、建物が壊れるかどうかに関心が集中して、その後のことは実際には何の対策もしていない場合が多い。これでは片手落ちである。これを包括的に扱う言葉がLCPである。LCPは、HPに詳しく載せているので参照してください。
2018年9月、北海道で起こった大地震の後に大停電があった。誰もが予想していないことであった。地震そのもののの被害は大災害というほどのものでなかったにもかかわらず、停電が長引いたのは北海道道民にとどまらず日本中が驚いた。何に驚いたかというと、災難後に対処するマニュアルがなかったし、つまり道民に想像力が不足していたのだと思う。
「被災度区分判定」について記す。
大停電を経験し、実は被災後にこそフォーカスしておくべきだったのではないかと考えるようになったのは収穫であったと思う。もしもの時のために被災後のスケジュールを用意しておく必要がある。これは我々側の技術の問題として解決しておかなければならないところであるが、説明すると、被災して壊れた建物やひびが入った建物に対し、これらを具体的にどのように補修して使うのか、使えるのか、どのような技術があり、どのようなコストがかかるのか、を判別する技術である。じつは、このような地味な技術が、他にもいろいろあるが、被災後の生活を支えるのである。
「タイムラン」と呼ばれるマニュアルを用意している。この前に耐震診断があり、耐震補強工事があって大地震後にも生き延びていなければならないわけだ。耐震補強を少しも疎かにしてはいけない。(章末に掲示。)
ところで思い出したが、熊本地震で明らかになったのは、水よりもまず最初にトイレの不足に困ったということであった。水は多少保管してあったし、少々なら我慢もできるが、しかしトイレは待った無しである。電気が止まれば水の供給もとまりたちまち水洗トイレが使えない。直ぐに困窮の事態に落ちいる。地獄のような有り様には聞いていて涙がこぼれる。しかし、この教訓により、いかにしてこれを克服したかという実証を得ることはできたわけだから、今後対策が進むであろうことが期待される。
シンポジュームは、他に、マンション管理組合のあり方や、段階補強、資金の調達についてなどの議案があった。
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