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阿佐ヶ谷の夏の風物詩。バリ舞踊祭が阿佐ヶ谷神明宮であった。阿佐ヶ谷駅の北側、歩いて2分。すでに17年目になるそうだ。
神社境内の能舞台で演じられるバリの舞踊と、古色然とした能舞台の奇妙なマッチングがすばらしい。インドネシアで暮らしていた友人夫妻と共に、舞台前の芝生に座り、インドネシアのビンタンビールを飲みながらバリ島の伝統舞踊を鑑賞した。そこでの宮司の話によると、「芝居」とは、舞台前の芝生席から見ることを言うらしい。アルコールが入って能舞台を臨む雰囲気はめったにあるものではなくたいへん珍しい。この祭りのためにバリ島からはるばるやって来た太鼓奏者も調子よく、そのうち日が沈んで、ガムラン(バリのハヤシテ)の生演奏が舞台に響き、明かりが灯って焦点が定まると、不思議な異空間へトリップできる。
能舞台のサイズが本場と比べ少し小さいが、観客との距離が近い。本場にはない橋掛かりがあり、そこから出入りする演者にすこし戸惑いが見える。その表情も伺えて興味深かった。金色の冠や、色とりどりの衣装と、松の絵と本舞台の4本柱が妙に効いている。踊り子の大きな目が左右にくりくりと動く独特な振り付け。指の表情が日本舞踊には見られないもの。それに、日本舞踊では考えられないビールを飲みながら楽しめること。日本も昔は実はこのようであったのではと思う、見事な異文化との融合だった。
このようなマッチングは、最早新しい試みとは言えない。新しい楽しみのひとつとなっている。
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